
海の向こうと言っても海外のことではありません。
瀬戸内海の向こうの四国の地で万年筆を煩悩の種類(108)持っている人がいる。
そのお方に頼まれていた鞄が思っていたより早く出来あがった事に感激して頂き、
鞄の代金は頂いた上にこのデッドストックのパーカー75シズレを頂いたぁ~!。
108の煩悩は種類であって数ではないのだそうで、この時代のパーカーはそれどれ数本づつ持っているので大丈夫だそうです。何が大丈夫なのか。
このありがたい贈り物を拒絶する事は出来ません。シズレは一本は欲しかった。
昭和の終わりと供に生産を終えたパーカーの傑作万年筆。高度成長時代のビジネスマンの憧れ。過度に高級ではなくて、それでいて満足感十分な万年筆。
今年は万年筆はもう増やさない予定でしたが、頂き物を拒絶するほどストイックな考えは持っておりません。役得を素直に受け入れるボンジョルノでありました。

四国にはまだまだまだ文房具屋さんの片隅にお宝万年筆が隠れて埋蔵されているようです。
この75を含む昭和のパーカーを10本ほど見つけて購入された時は、店主に値段を尋ねると「1万円」と言われて1本1万円と思っていたら10本で1万円。凄い。
頂いたパーカー75シズレは調べてみると1974~79年代に製造された万年筆。
私が18~23歳頃のまさに青春時代真っ只中に作られたモノであります。
パーカーらしく硬い書き味は実用的。
ただカートリッジを装着して書いてみるとガリガリひっかかる。
無謀にも自分でペン先を研いでみることにしました。
多くの万年筆調整師の仕事を見ていて、素人の私でもイリジュウムをまろやかにしてスムーズな書き味にする事はできるのではないかと考えて挑戦してみた。
ルーペでペン先を確認しながら研ぎました。そして書いてみて引っかかる部分見つけては研いで出来上がったペン先をルーペで見てみると個性的な形状。
極細が私好みの中字ほどにもなった。イリジュウムを相当削ったようだ。

つきみそう先生は長刀砥ぎよろしく「幻のコテ砥ぎ」と命名。
私の角度で私の書き癖だと素敵な書き味。
ただ角度を少しでも上下すると極端なまでにガリガリ不快な書き味。
スイートポイント極端に限定されたペン先になってしまった。
ペン先を素人が研いだ結果がコレ。お勧めしません。
でも私だけが満足できるペン先というのは気に入っているボンジョルノ。
私の普段使う万年筆はこのパーカー75シズレになりそうだ。
二度とやらないようにな!
Re: pelikan_1931 さん
反省しております。でも~面白かったです。
このペン先を調整してくださいと専門家の皆さんに見せたら怒られると思いますので見せられません。
ル・ボナー松本