ル・ボナーの一日

ル・ボナーの革製品のメンテはスパルタ式

2010年01月15日

ル・ボナーでは革のお手入れとして、革表面の埃や汚れを水拭きして取り除いて、その後乾拭きないしはブラッシングを勧めています。革に水拭きと聞くと多くの方が躊躇される。革のメンテ方法として水拭きを今まで勧められた事がなかったから。全ての革にその方法が正しい訳ではないけれど、ル・ボナーで扱っている大部分の革に有効だと私たちは思っています。 革を長く良い状態で保つには、革の繊維の気孔の空気の出入りがスムーズであるべきだと思っています。汚れがその気孔を埋めないように、水拭きして汚れを拭き取る。また皮革オイルを多く加えることもその気孔を塞いでしまう事になります。その気孔での空気の出入りが革を活性化させて長く良い状態を保つ事が出来ると考えています。寒布摩擦のように、あまり水を与えずに作る作物のように、革とも愛情持ってスパルタ式に接すると長く付き合って行けると思うのです。 表面を顔料で厚塗りした革や表面コーティングした革は、最初の数年は傷付きにくくて丈夫な革だと錯覚しますが、気孔が埋まった状態なので空気の出入りがなくて寿命は短い。長く使っていける革はなめしがしっかりしていて、気孔での空気の出入りが十分出来る革です。ただそういった革は傷付きやすい。使い手のお手入れ具合によっても左右される革でもあります。使い手の日々の接し方次第で永遠を信じる事が出来ますが、良い状態をキープするには使う人の手入れは欠かせません。 ル・ボナーの定番で使っている革の中で特に、クロームなめしのクリスペルカーフとタンニンなめしのブッテーロは傷は出やすいけれど、接し方で永遠の可能性を持った革の双璧です。 そんな使う人の接し方で大きく差が出るブッテーロ革の製品を日々使って頂いているお客様の中でお手入れ名人が何人かおられる。 %EF%BC%90%EF%BC%99%E5%B9%B4%EF%BC%91%EF%BC%91%E6%9C%88%20288.jpg その中のお1人が毎日使っておられるグリーンのブッテーロ・天ファスナーブリーフケース。 新品時よりも魅力を増した鞄に成長している。どんな風に日々お手入れされているのかと尋ねると、満遍なくハンカチで乾拭きしているだけだと言う。 %EF%BC%90%EF%BC%99%E5%B9%B4%EF%BC%91%EF%BC%91%E6%9C%88%20292.jpg 同じ方が使われているブッテーロのデブ・ペンケースのように、小さなサイズの革製品なら、満遍なく磨き上げるのも出来るかもしれないけれど、鞄の大きさになると満遍なく磨くのは大変だ。でもその大変なお手入れを持続すると、こんなに素敵な状態で進化してゆく。 ブッテーロの場合、爪キズなどは出やすいが磨き上げることで収まる。厄介なのは雨粒の点々。これは汚れを含んだ雨粒がしみ込んで、その後水分は乾いて汚れだけが革の内側に残って生じる。これも水拭きを繰り返し汚れを緩和させる事で、徐々に消えてゆく。そんな風に接しながら添加物加えないで日々の乾拭きと時々の水拭きだけでお手入れすると、お手入れと正比例して美しい光沢が増してゆく。そして寒布摩擦した肌のように、革の表皮も強く締まって、寿命も延びてゆく。 革は表皮がパサパサになりひび割れが生じ始めると、復元力失い寿命だ。その状態になると革が持つ特性である弾力性も復元力も再起不能になってしまう。そうならないために、革が本来持っている潜在能力を刺激しながら手入れして使うと、何倍もの寿命を生き続ける。 良い革は、 革と会話しながら過保護にせずに、 愛情持ってスパルタ式に接すると、 素敵に成長してゆくのだと思っています。

Le Bonheur (22:31) | コメント(4)

Comments

  1. orenge より:

    手間をかけて育てあげた革製品は育ちがいいですね。
    Re: orenge さん
    購入後の使用する人の接し方で、
    革は育ちもするし、その逆も生じます。
                              ル・ボナー松本

  2. AOR より:

    乾布摩擦です
    Re: AOR さん
    ご指摘ありがとうございます。
    修正させて頂きました。
                ル・ボナー松本

  3. しげお より:

    私のパパスバッグはお教え通り水ぶきに乾拭きでかなり良い顔になりつつあります。もっと革と会話をして
    手入れしたいと思います。
    Re: しげお さん
    是非お手入れして変化したしげおさんのパパスを見せてください。革は面白い素材です。元は一緒でも使用する人によって違った変化をします。会話しながらそれを楽しんでください。
                              ル・ボナー松本

  4. Apple より:

    革製品って、上手に育てるとこんなにいい形で成長するんですね。ペンケースですが、早く手に入れて自分も育ててみたいと思いました。ワイン色もいいですが、キャメルのグリーンステッチもいいなあ、と思っています。おすすめの色はありますか?
    Re: Apple さん
    ペンケースほどのサイズだと、上手に育てるのも楽ですよ。是非楽しんでみてください。
    お勧めの色といわれても、これは個人の好みですのでなんとも言えません。ただ茶のグリーンステッチの在庫は現在あります。
                            ル・ボナー松本

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