ル・ボナーの一日

1600話目はダンディーTさん

2014年01月20日

今回でブログ「ル・ボナーの一日」は1600話目になる。右上のブログ内検索に「ダンディー」と打ち込んでみた。そうするとダンディーTさんの事を色々書いたんだなぁ〜と懐かしく感じた。そのダンディーTさんの奥様から訃報の知らせがあった。奥様とは二度しか会ってはいないけれど、奥様とハミは時々電話を交わす仲良しだ。

ダンディーT2.jpg

ダンディーTさんの要望で作った横長のバッファロー素材のディプロマ。

8歳年上の私が兄のように慕う人はダンディーだった。ドラえもんのジャイアンがそのまま大人になったような風貌だったけれど、長身でアングロサクソン系の体型で既成のスーツが似合う人だった。日本人離れしたダンディズムを感じさせる男前な人だった。仕事も趣味も、興味を持った事は徹底的に調べ尽くし決断する人だった。なにせ格好良い子供心を持った大人だった。そんなダンディーTさんと親しくなってまだ10年経っていない。この人のモノ好きは50歳過ぎてから。それまで仕事一筋で来たけれど、50歳過ぎてそれまで興味があっても見ないでいた事を楽しむ事にした。革製品、万年筆、オーディオ、カメラ、時計、自転車。私も50歳過ぎてから色々なモノに興味を持ち始めたので話しが合った。ただ違うのは興味を感じた物は購入する前に徹底的に調べ尽くし厳選してチョイスする。すぐには購入せずに、入手するまでの経過も愛おしく楽しむ。

車はユーノスロードスターのブリティッシュグリーンで内装タンレザーの限定車を20年以上乗り続けた。

LINNのオーディーオを入手した時は、これと決めた品をショールームの視聴室で一年暇を見ては聴きに行き、そしてそのスピーカーが馴染んだ視聴用の品を半額で入手。それより何より、そのオーディオをベストの状態で聴く為に新築マンションを居抜きで購入して、内装も親しくしている職人さんに時間の空いている時に手を入れてもらって3年がかりで仕上げたという徹底ぶり。

ダンディーT4.jpg

出張時には必ず鞄に忍ばせて持ち歩いていたバルナックライカ。

ダンディーT3.jpg

ライターは50年代のフランスダンヒルの傑作「アルドゥナ」。

ダンディーT1.JPG

時計もビンテージが似合う人だった。

私が親しくしている人の中で最も素敵に思えた人だった。その兄のように慕う人が亡くなった。まだ65歳でこれからもっと一緒に遊びたかったのに。仕事引退したら六甲アイランドに東京から引っ越して来て、ル・ボナーの御意見番でもしようかなと言っていたのに。

弱音を言う事なく、最後まで私にとってダンディーな人であり続けた。もう随分前から自分の余生は後わずかだと自覚していたみたいだ。その事を私達ち二人にはおくびにも出さなかったけれど。自分自身の黄泉の国への身支度は決めていたみたいで、オーダーしたリネンの白いスーツ姿でお気に入りの自宅にて永久の眠りについている。ハミと一緒に下北沢に「さようなら」言いに行って来ます。

Le Bonheur (19:18) | コメント(0)

Leave a Comment

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

アーカイブ