ル・ボナーの一日

大事にしたくなるモノ

2006年10月11日

扇風機.jpg 我が家で毎夏がんばってくれている、1970年代につくられた扇風機です。 数年前に買った仕事場で使っていた扇風機はもうこわれました。それに比べ羽根とスイッチ以外は鉄で出来ているこのレトロな扇風機は40年ほどがんばってくれています。 そこまで頑張ってくれると、モノは大事なモノになります。 私は特別なモノって何かと考えます。この基準は人によって違うと思いますが、人の手が加わっていて、作った人と使う人の思いが共鳴した時大事なモノになると思います。そして時間と思い出が熟成させます。 世の中益々便利になってゆきます。合理的で豊かな生活、、、、豊かって何だろう? 現代社会が高度になればなるほど、人を感じれるアナログなモノや変わらぬ自然に、心の平安を感じる人がいる。私もそういった人間の一人で、長い時間を経ても使われ続けるモノに愛おしさを感じ、変わらぬ自然の中に身を置く時、心は洗われる。 高度化する社会に多くの人は順応してゆく。しかし息苦しい。そんな時アナログなモノはガス抜きの役目を担う。 独立系鞄職人の作るカバンもそんなモノの一つです。私たちも私たちなりの思いを注いでカバンを作り続けます。作った私たちと使う人が共鳴し合うカバンであって欲しい。 私たちのカバン作りは前時代的なもので、ゆっくり時間が過ぎていき、私たちの生活にストレスはないように思うけれど、私たちは私たちなりにノーテンキな頭が情報の洪水に翻弄されそうになることがあります。そんな時アナログな人の手が加わったモノが救ってくれる。 消費されてゆくモノではなくて、一緒に歳をとってゆくモノたちは愛しい。 手間隙がかかっても、長く共に生きていけるモノは大事にしてゆきたい。

Le Bonheur (19:28) | コメント(0)

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