ル・ボナーの一日

美女とランドセルを背負ったオヤジたちのイタリア珍道中(6)

2007年09月29日

%E5%B7%A5%E6%88%BF%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%8B%E5%BB%BA%E7%89%A9.jpg %E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%81%AE%E8%81%B7%E4%BA%BA.jpg 午前中、革製品とボタンを作り続けてきたジャンニさんという老職人に会いにいった。 70歳になり、現在は頼まれて特注で鞄を作ったり、鞄の修理などを生業としていますが、これまでパリのメゾンのオートクチュールの品を作ったりもしていた職人です。 昔は多くの人を雇ってモノ作りに励んでいたことは作業場に多くある古い機械が物語ったっていますが、現在は一人でこつこつ仕事をこなしているジャンニさんです。 人に会うことが少ない職人は、気心が通じると雄弁になります。22歳で職人になってからの48年間の職人人生を語り始めました。使われなくなった機械たちの使い方も事細かに説明してくださいます。 特別なことをしているわけではない。しかし70歳まで続けてきた。こんな人生もありなのかもしれない。 私も70歳になった時、違った形ではあるけれど、カバン作りを続けてゆきたい。 午後から、路面電車に乗ってバチカンへ。路面電車の速度は旅人には最適速度。街並みを確認しながら味わえる速度。トマソ・サルビニから終点のバチカンまでの19番路線はローマ山の手の優雅な風情が車窓に続く。 平日の午後のバチカンの美術館とシスティーナを見学するための列は思ったより短い。1時間かからないで入口へ。この時期の休日の午前中だと5~6時間並ぶのは当たり前だそうです。私たちはラッキーでした。 まずバチカン宮美術館。ここも途方もなく多くの絵画、絵画。出口で点呼をとっていざシスティーナへと思いきや、画伯だけは待てども来ない。タクヤ君が探しに一周してきたけれどいない。 画伯の場合、アルカイダと間違えられて機関銃を突きつけられても無事だった図々しさを持ち合わせた御仁だから、探し出すのは諦めてシスティーナへ。 %E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%81%AE%E5%9B%9E%E5%BB%8A.jpg 凄い、中世のヨーロッパにおいてキリスト教の存在の大きさを強く感じる。この回廊がず~と続く。そして多くの絵画、彫刻。途中画伯が通り過ぎる。このお人、人に迷惑かけながらも、うまぁ~く帳尻を合わせる人であります。追い越してゆく時、美術館にあったカラヴァッジョ見たぁ~?と。現在マイブームのカラヴァッジョがバチカン宮美術館にあったのかぁ~。わたしは見過ごしていた。これはいけません。 %E3%82%A2%E3%83%86%E3%83%8D%E3%81%AE%E5%AD%A6%E5%A0%82.jpg mikerannjyero.jpg ラファエッロの「アテネの学堂」、ミケランジェロの「最後の審判」と急ぎ見てユーターン。カラヴァッジョを見にゆきました。競歩のようなスピードで。結構きつい。 %E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B8%E3%82%AA.jpg バチカン美術館は人影まばら。ありました、「キリストの埋葬」。やはりカラヴァッジョはグロテスクなまでのリアリズムで圧倒的な存在感を感じてしまう。マイブーム続きそうであります。 そのまま出口に向かいました。女性二人は先に出ていてバールで休憩。閉館10分前画伯と樫本さんを最後に全員集合、、、、とお・も・い・き・や、でべそ氏がいません。ドアが閉じられます。でべそ氏は出てこない。その後いくら待っても来ない。もう一か所出口があったことに気づき、樫本氏とタクヤくんを残し捜索に出発。 でべそ氏が迷子になってしまったら大変です。順風漫歩平和な人生を送り、海外旅行の経験は私と同じ程度の海外旅行初心者。画伯のように海外でも野宿もできる図々しい心臓は持っていないだろし、宿にも一人では辿り着けないのではと考えると、心配がつのるばかり。 %E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%88%E3%83%AD%E5%86%85.jpg 心配する女性3人とボンジョルノ松本。画伯は、あまり心配ではないようで写真パチパチ写しながらのんきなもの。サン・ピエトロ寺院前は夕方人影まばら。見つからないはずはないと探しつづけるが見つからない。寺院内もさがしたけれど見つからない。もうだめだぁ~と思っていたら、H女史のところに樫本さんから電話。樫本氏とタクヤ君も私たちと合流しようとサン・ピエトロ前に向かう途中、うつむき歩くでべそ氏を発見したのです。ほっとした私たち。一人ニヤニヤしている画伯。この事件をどう脚色して酒の肴にしようか考えているのです。 %E3%83%94%E3%82%A8%E3%82%BF.jpg 2時間ロスして夕暮れ時のサン・ピエトロ寺院。訪れる人も減ったこの時間帯のサン・ピエトロは良い感じ。天井から夕日の光が赤く差し込む。ミケランジェロの傑作「ピエタ」も夕日に映えてより美しい。 でべそ氏の迷子事件のおかげで、特別なサン・ピエトロを私たちは味わうことができました。ラッキーな副産物は得たけれど、大変でありました。 %E5%A4%95%E6%97%A5%E3%81%AB%E6%98%A0%E3%81%88%E3%82%8B%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%88%E3%83%AD.jpg サン・ピエトロの上の円形の塔の部分に夕日の光が内包しています。がカメラマン松本がへたくそなため、それが写真からはわからなぁ~い。 %E5%A4%9C%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%81%AE%E8%A3%8F%E9%80%9A%E3%82%8A.jpg その後夜のローマの路地をナボーナ広場近くのレストランまで歩く。 夜のローマの裏通りは、特別な味わいを持っている。何時までも歩き続けていたくなるローマの裏通り。 街灯が絶妙、お店お店が浮かび上がる。明日の夜は宿近くのレストランでの食事だし、明後日は昼過ぎまでで、その後帰国の途に就くから、夜の街中のローマを感じれるのは今夜だけ。しっかり味わいたい。気持ち良い風が吹いています。

Le Bonheur (22:10) | コメント(5)

Comments

  1. めだか より:

    か、会長~!
    ああ、読んでるだけで。たくさん歩た気になってきました。この日の夜は、盛り上がったでしょうね。
    それにしても、美術品の見事さ!

  2. ル・ボナー松本 より:

    めだかさん
    会長のおかげで広~いサン・ピエトロ寺院の金属探知ゲートを3度通らしていただきました。次の日も、早朝会長と散歩にでたのですが、会長が「私に任せてください」というので任せていたら、危うくまたまた迷子になりそうでした。美術品は見事で途方もなく沢山。システィーナの彫刻の回廊なんぞは、大手の石屋さんの展示場のようでありました(例が悪い)。

  3. 三好 より:

    松本さん
    文章から松本さんの興奮状態がすごくわかりますよ。写真でみるバチカンも素敵ですね。バチカンは私もずっと憬れていて、いつかはとずっと思っています。写真でもその迫力が伝わってきます。イタリア行きたいなぁ~。
    残りの話のアップも楽しみにしています。
    それから金曜日に吉宗さんの店に行ってきました。なんともいえない良い空間で、落ち着くけど、わくわくするお店でした。限定の(私はこの言葉に弱い!)ビスコンティを見つけてしまいました。
    ハミ様
    僕はハミさんの文もすごく好きです。な~んか読んでると幸せな気持ちになってきます。ちょくちょくハミさんのブログもアップしてくださいませ。

  4. 三好さん
    記憶が鮮明なうちにドヒャッぁ~と書ききろうと思い書き続けておりますが、少々へばり気味。今日はお休みしまぁ~す。もうお腹いっぱいという方たちも増えていると思いますが、後2~3回です。ご辛抱お願いいたします。
    吉宗さんのお店、私も早くいきたいで~す。鉛筆ビルの5階の居心地の良い空間が神戸にもどってきたのですね。楽しみです。

  5. ハミ より:

    三好さ~ん!
    ありがとうございます。
    そう言って頂けると、私も幸せ!
    ぼちぼち頑張っちゃおうかなぁ!

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